日本のサフランのために

Akaitoは日本のサフラン産業を持続可能にし、
伝統を未来に引き継ぐことを使命に
様々な取り組みを行なっています

300年の伝統を未来に引き継ぐ

およそ300年前に日本に渡ったサフランは、その後、日本初の医薬品公定書である初版日本薬局方(1886年)にも収載され、医薬品や漢方薬として大変重宝されました。

日本のサフランは300年に渡る歴史のなかで独自の栽培方法を確立しました。海外のサフランは畑に植えられ畑で花を咲かせますが、日本では、畑で十分に栄養を蓄えた後、サフランの球茎は掘り起こされ、昔ながらの小屋で休眠し、有害な物質から守られた室内の暗所で開花を待ちます。

栽培に関する日本独自の伝統やサフランそのものの品質の良さに支えられ、日本国内のサフラン生産量は最盛期には1,000㎏ほどありましたが、現在では20kgほどまで減少してきました。このような状況に対してAkaitoは、日本の素晴らしいサフランとその伝統を絶やすことなく、未来に引き継ぐために様々な取り組みを行なっています 

AKAITOのミッションとバリュー

ミッション
Akaitoは、倫理的な製品を求める人々にふさわしいサフランやサフラン製品を提供することを通じて、全国のサフラン農家とそのコミュニティ及び日本のサフラン産業を活性化させることをめざします。

バリュー
私たちは、300年にわたる日本のサフラン栽培の技術と知恵を、最先端のノウハウと組み合わせ、比類のない品質、倫理的生産、持続可能な「Made in Japan」のサフランおよびサフラン製品を生産しています。

代表者からのメッセージ

「レッドゴールド (赤い黄金)」。海外でサフランの生産や売買に関わる人はサフランをこう呼んでいます。しかし、世界で流通するほとんどのサフランに黄金に輝くストーリーはありません。

世界のサフランの90%以上は、国連が経済制裁の対象としている国で生産されていますが、そこでは、過酷な環境のもと子供や女性が搾取され、倫理的とも持続可能とも言えない旧態依然とした方法でサフランの収穫に従事させられています。そして、加工されたサフランから法外な利益を得ようとして、多数の中間業者が介入している結果、評判の良い高級店や高級レストランで売られているサフランやサフラン製品の価格は金融商品のように大幅につりあがり、消費者は知らない間にこのような仕組みに巻き込まれています。

私たちは、倫理的な製品を求める人々にふさわしいサフランやサフラン製品を提供しています。

Akaitoのストーリーは、世界に類を見ない職人技、革新性、そして細やかな心遣いを持つ日本の文化から始まります。私たちは、職人の技と最先端の研究開発、独自の栽培方法、そして比類のない品質を組み合わせることで、その力を発揮できるよう努力しています。Akaitoは、300年にわたる日本のサフラン栽培の技と知恵を核とした最新のアグリテックなのです。

そのため、Akaitoサフラン®は、世界最高水準のISO 3632 グレード1 Saffron Standardを大きく上回り、子供や女性から利益を搾取する無秩序な方法にも頼らずに、サフランの生産を行っています。

Akaitoサフラン®は、⾷材としてのみならず、ラグジュアリー製品やライフサイエンス製品としても活用されています。

Akaitoはサフランを、非倫理的で法外な利益をあげる「レッドゴールド」としてではなく、多様なかたちで利⽤でき、関わるすべての人が楽しめる高貴なスパイスとして、サフランの本来の価値を⽇本から世界に伝えていきます。

Akaito, Limited
鈴木千鶴子、マーク・リー・フォード
共同創設者

世界におけるサフラン業界の大きな課題

一般的に、多くの人は、自分が買い求める品物が児童労働や強制労働によって生産されたものだと知らずに消費しています。高級食材として美しい一皿を彩るサフランも、およそ9割が⾮倫理的な労働によって生産されていますが、このことを知る人もほとんどいないのが現状です。

実際に、イラン、アフガニスタン、インドのサフラン畑では、厳しい寒さの中で⼦どもや⼥性が延々とサフランの花を摘み続け、中間業者は⼦どもたちや⼥性に⽀払う⾦額よりも⼤幅に価格をつり上げることで法外な利益を⽣み出しています。近年では国連とアメリカの対イラン制裁によってサフランの価格がさらに⾼騰し、この営みから生み出される利益は過去最⾼となっています。

世界のサフランの90%以上を⽣産するイランは、被制裁国であるため、スペインを経由することでサフランを現金化しています。例えば、米国がスペインから輸入しているサフランにはスペイン産という表示がありますが、これらの中には、イラン産のサフランにスペイン産のサフランをごく少量混ぜたものが数多く流通しています(スペインはイラン産サフランの約50%を輸入)。

世界のサフラン事業者は、サフランを「世界で最も⾼価なスパイス」、あるいは「レッドゴールド」といって自慢していますが、このような⾮倫理的な労働や不当な取引から生み出される製品は、私たちにとって美しい輝きを放つものでしょうか。

Akaitoは、⼦どもや⼥性の搾取を糾弾します。そして、多くの人に世界的なサフラン生産にまつわる不都合な事実を知っていただきたいと考えています。

そして、児童労働や不当な搾取のない世界をつくるために、一人でも多くの人がフェアトレード商品を選び、非倫理的な製品の発展に加担しないようになることを、そして、サフランが、法外な利益をあげる道具ではなく、関わるすべての人の笑顔を引き出す高貴なスパイスになることを願っています