野村裕亮

L’atelier chouchou (アトリエ シュシュ) オーナーシェフ

世田谷の隠れ家で愉しむ至高のフレンチ L’atelier chouchou (アトリエ シュシュ) のオーナーシェフ 野村裕亮氏は今日に至るまで、持ち前の行動力と信念で不可能を可能にし、自身の道を創ってきた。今回、Akaitoサフラン®を長らくご愛用下さっている野村氏にお話を伺った。(Akaito Limited 大鷲幸奈) 

L’atelier chouchou (アトリエ シュシュ) 野村裕亮氏 
東京都渋谷区出身。
1998年 服部栄養専門学校入学
1999年 (株)シェ松尾 青山サロン
2003年 (株)エノテカ 広尾本店
2006年 銀座 ボンシャン 料理長
2012年 渋谷 パピエドレ 料理長
2016年 四谷三丁目に「L’atelier chouchou (アトリエ シュシュ)」オープン
2019年 現在の世田谷区桜に移店 

世田谷区桜の奥にひっそりと佇むビストロ「 L’atelier chouchou  (アトリエ シュシュ)」はわずか10席の小さな店だ。オーナーシェフ 野村裕亮氏は、穏やかでありながらも常識にとらわれない新しい料理を世の中に提供している。現在はアトリエ シュシュの経営に加え、コンサルタントや料理教室など、多方面で活躍している。 

経歴

野村氏の料理の道は幼少期から始まる。野村氏のご両親は多忙な洋服のデザイナーで、幼いころはベビーシッターや祖母と時間を過ごすことが多かった。3歳下の妹の空腹を満たすために見よう見まねの料理を始め、既に料理で人を喜ばせる嬉しさを感じていた野村氏は、中学生時代、母の日にも料理を作る。それがきっかけとなり、野村氏の15歳の誕生日、父親にシェ松尾に連れて行ってもらった。その時の料理に衝撃を受け、「絶対にシェ松尾で働きたい」と思ったそうだ。翌年、「洋食やB」で皿洗いのアルバイトを始めた。洗い場で働く中、料理を学びたかった野村氏は、「時給は半分でいいから料理を教えてください」と上司に直談判し、材料の下処理などの料理の基礎や心得を学んだ。 

その後、料理の道を極めようと1998年服部栄養専門学校に入学した。授業の中で教授が作ったソースに心が動かされたことや、フランス料理の奥深さに触れたことが影響し、フランス料理の道へ進むことを改めて心に決めたそうだ。しかし就職先として希望していたシェ松尾は、専門学校の斡旋先になかった。野村氏はまたもや校長に直談判し、翌年、見事にシェ松尾に入社した。晴れて夢であった名店の厨房に立つことができたのだが、想像以上に厳しい環境であり、「当時の同期は一人残らず辞めていった。続けられたのはシェフの料理が本当に美味しかったからだ」と当時を振り返りながら語った。 

野村氏は料理人としての覚悟が固まった瞬間として、賄いに麻婆茄子を作った時の事を話してくれた。当時の野村氏が調理した麻婆茄子は周囲から不評であった。上司にシェフルームに呼び出され、「一流の料理人になりたいなら何を作らせても一流のものを作れ。全ての料理を美味しく作れないと駄目だ。もっと他にも料理を食べに行きなさい」と言われた。給料の少ない中、勉強するために訪問した高級中華店で名前を告げると個室に通され、頼んでいないコース料理が次々に出てきた。会計の際、上司が勉強代として払ってくれていたと知り、涙があふれたそうだ。この出来事がきっかけで、料理人としての覚悟が固まり、料理への姿勢がガラッと変わった。 

野村氏は、全ての料理に対して貪欲に勉強するようになった。賄いの和食のために、数時間の調べものをしてから作り、次第に周囲の人間にも認められる賄いを振舞うことができるようになった。「見ている人は見ている。」料理に真剣に向き合い、貪欲に学ぶ姿勢を見ていた周りの先輩たちが知識を与えてくれるようになり、更に多くを学んだ末、2016年、四谷三丁目に L’atelier chouchou (アトリエ シュシュ) をオープンした。 

お客様と向き合い、常に進化する

野村氏は「仕事のやりがいはお客様の喜ぶ姿を見ることだ」と話す。お客様の姿勢や表情、仕草や声を読み取ることで心のうちを感じ、今求められていることを考えて実行する。「お客様1組1組とシェフが向き合えるお店」を作るために、30席の店から世田谷区桜の10席の店に移転したのだ。ニーズの中で自分の料理をどのように表現していくかということを重要視しており、「お客様に思いを提供したい。目の前の人のために作っている。愛を注いでいる」と語る。野村氏は、美味しい料理に細かな気遣いでこれからもお客様を感動させ続けるだろう。 

野村氏は、自分が飽きないでやり続けること、そのために新しいことを始める姿勢を大切にしている。料理はもちろん、サービスや料理に使用するお皿1枚にも気を配り、常に進化し続けていると言う。今後の目標は、自身の店だけでなく、今まで培ってきた経験を活かしてビジネスの幅を広げ、より多くの人と関わっていくことだと話した。 

―18歳の自分に会えるのならどんなアドバイスをしますか? 

「学校に行けって言います(笑)。フランス料理の授業だけ受けていたんですが、それが後々苦労したんです。就職したからゴールではなくて、そこからがスタートじゃないですか。当時はゴールだと思ってしまったんですよ。」 

―これから料理人を目指す人に伝えたいこと 

「何事も基礎ということ。小さなこと、例えば使用する野菜の水切りや、みじん切りの大きさが揃っているか。すべてがお客様の対応、そして最終的な満足度に繋がります。考えている100倍、学ぶべきことはある。」 

―Akaitoサフラン®について 

数多くのフランス料理を作ってきた野村氏は、これまで外国産のサフランを使用してきたという。2年間、長くご愛用頂いているAkaitoサフラン®だが、改めて感想を伺うと、「もうほかのサフランには戻れない。安くはないけれど、香りやピリッと苦い味、そしてめしべの長さが素晴らしい。お客様にストーリーとともに提供している」と話してくれた。 

夏野菜のテリーヌ。ソースにサフランを使用している。アトリエ シュシュでは2か月に1度、テーマを決めてイベントが開催されている。

  

L’atelier chouchou (アトリエ シュシュ)

東京都世田谷区桜3-8-16ユートピアハイツ1F 
03-3429-5889

フレンチ料理教室
初級コース 月一回 月曜日 11:30〜14:00  
上級コース 月一回 水曜日 11:00〜14:00
個人レッスン 10万円〜【ご自宅で数名さまでもOK】

レストラン、バー、などのメニュープロデュース 
電話もしくはLINEより